第6話 イベントの連続
イリの歌はなかなかの名曲であった。
季節はだんだんと寒くなり、あっという間に冬になっていた。
イリとナカは相変わらずで、一緒にコストコに行き、
イルミネーションを見に行った。
人生初コストコでは、当時入手困難であった3DSとどうぶつの森を購入した。
団体Nの1年生みんなで有名なイルミネーションも見た。
12月は某団体Nにとってビックイベントがある。
それは…
「報告会」
報告会は、ご卒業された先輩や先生、お世話になっている方々を招いて
どのような活動を今年やったのかを報告する会である。
ご卒業された(エライ)先輩方の同窓会にもなる場所だ。
報告会が終わると3年生の先輩方は引退となる。
まあ、むずーーーーーかしい話を
先輩たちがむずーーーかしい顔をして話す会であった。
この年の報告会は、かなり細かい内容まで話しており、
一般の方向けではなかったかと思う。
しかしそんなことは、口に出して言うこともできず、
ただ先輩の指示に従うだけであった。
1年生の目には、身内に
「こーーんなことやってます!」「がんばってますよ!」
と言っているだけの会のように見えた。
外部の参加者は数えるほどであったと思う。
なんというか…
かなりクローズな環境。
こんなんでいいのか…。
心の中でモヤモヤした気持ちが残った。
報告会が終わりほっとしたのも束の間で
某看護大学1年生全員強制参加のキャロリングというイベントが開催された。
今回は「看護師は白衣の天使〜♪」の歌ではなく(第1話参照)、
クリスマスソングを病院の患者さんの前で
歌い、心温まるカードを配る(かなり心温まる)イベントだ。
偽物(LEDライト)のキャンドルを持ち、
病棟をまわりながら、歌を歌う。
某看護大学では歌の練習もストイックである。
アルト、ソプラノに分かれて昼休みに練習をするのだが、
練習はほぼ毎日あり、昼休みは歌の練習で潰れた。
きよしこの夜だけでなく、
少しマイナーなクリスマスソングも披露するため、練習した。
練習のおかげで、クリスマスの時期にディズニーランドに行くと、歌える歌が流れている。
実際、このイベントは本当に心温まるイベントで、
イリとナカはキャロリング委員会になり、翌年も参加することになる。
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